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INDIVIDUALIZED SHIRTS: TATTERSALL

INDIVIDUALIZED SHIRTS |

無地のオックスフォード、ギンガムチェックのポプリン、シャンブレー。数あるトラディショナルな生地の中で、皆様がお持ちのシャツはどういったラインナップでしょうか。シャツ屋である我々が本日お勧めしたいのは、どちらかと言うと目立つことのない影の定番柄、タッタ―ソール。

定番だからこそあえて取り上げることの少ないタッタ―ソールですが、実は豊富に種類のあるチェック柄の中でもトップクラスに合わせやすい万能なピース。我々のブログやインスタをよく見て頂いている方は、季節物や新作の”合わせ役”としてひっそり登場機会が多いことにお気づきかもしれません。

そもそもタッタ―ソールとは何なのか、柄として以外で聞き馴染みのないこの言葉の歴史の始まりは18世紀まで遡ります。

Richard Tattersall establishes “TATTERSALLS” in 1766 (Tattersalls History)

リチャード・タッターソール氏が自身の性を冠した馬市、すなわち馬の競売場をロンドンに創設したのは1700年代の話。そこで売りに出されていた馬たちに格子柄のブランケットがかけられていたそうな、これがタッターソールと呼ばれるパターンの発祥というわけです。
ちなみに今でこそタッターソールと聞くと白地に2色線で織られた格子柄がイメージされますが、始まりのベースは黄色〜肌色であり、洋服として取り入れられたのはオッドベストが最初だと言われています。


Tattersall waistcoats (GENTLEMAN’S GAZETTE)

この古いイラストの中で右に立つ男性がジャケットの中に着ているベスト、まさしく現代でそう呼んでも違和感の無いタッターソール、馬用ブランケットと同じようにウールで作られた物でしょうか。

こんな歴史が少しでも頭の中にあれば、見慣れた格子柄もより一層クラシックに見えてくるものです。


STERLING TWILL TATTERSALL STANDARD FIT BD 31,900 in-tax

今回INDIVIDUALIZED SHIRTSからご紹介するタッターソールシャツはこちら、「STERLING TWILL」のボタンダウン。TWILLはツイルなのでそのまま綾織の生地のことを指しますが、このSTERLINGがミソです。 イギリスの通貨を表すスターリングパウンドもありますが、もう一方の意味として、“立派な”とか、”格が高い”なんていう意味の形容詞としても使われます。要するに“素晴らしいツイル”ということです。

なにが素晴らしいって、生地の質感が素晴らしい。洗い込めばヴィンテージのチノパンツのような経年変化をしていきそうな、上品な光沢のあるツイル。ガサガサとした渇いた質感ではなく、水分を含んでいそうなみずみずしい手触り。それと相まって色ノリも美しい。

3色で展開のスターリングツイル、レッド×ネイビーはタッターソールの王道コンビ。


TATTERSALL in RED

最もトラディショナルな定番パターンのこちらは、フォーマルなジャケットスタイルに自然と馴染みます。

格子を構成する色線が細く白の面積割合が大きいことから、無地の白シャツに近い感覚でレジメンタルタイとも違和感なく合わせることが出来ます。オックスフォードのような厚地のシャツに比べるとタイを締めた時にドレスな印象になるため、フォーマルなシーンにももってこい。

もちろん、ネクタイを外してカジュアルなブルゾンを羽織ってもこの通りベストマッチ。一見無地のように見えながらも、近づくと静かに主張するクラシックな格子柄。光沢感のある素材で織られたボタンダウン、柄を抜きにしてもドレス、カジュアルどちらにでも振ることの出来る素晴らしい汎用性。


TATTERSALL in BEIGE

ベージュと名乗るブラウン×ネイビーのコンビはますますクラシックな雰囲気。アメカジの定番であるカーキ色のチノパンや、土臭いウールベストにはこれ以上無く雰囲気の合う配色です。

インパクト大なバッファローチェックと格子柄同士で合わせても、ぶつかるどころか引き立ててしまう優れもの。生まれながらにそういう役者なんでしょう、着合わせる物はとにかく何でもOK。格子の大きいギンガムチェックやブロックチェックには無い強みです、ぜひ試していただきたい。

もちろんドレスな組み合わせも素晴らしく、ワタクシ的にはウールのネイビージャケットにニットタイ。ボルドーがより美しく見えるのは気のせいでは無いでしょう。


TATTERSALL in BLUE

最後に残したのはブルー×ネイビー、これはもう解説するまでもないでしょう。前述した2色と同じかそれ以上に何に合わせても二重丸な、モダンな香りのするワントーンタッターソール。寒くなってきてセーターの下に合わせるシャツに悩んでいる方には、まず店頭で試着していただきたいところ。

繰り返すと、上品な光沢感でドレスな雰囲気のスターリングツイル、スポーツに由来がありカジュアルな雰囲気のボタンダウン。そして使われたタッターソールは200年の歴史を持つ伝統的なクラシックパターン。
トラッド志向な皆様には、今改めて手に取っていただきたいタッターソールシャツ、気になる方は店頭かオンラインから。

そしてそして、このスターリングツイルタッターソールは勿論トランクショー(カスタムオーダー)でも選んでいただくことが可能。

なんてブログを書きながらふと横を向いたら丁度スタッフのタカナシがタッターソールのオーダーシャツを着ていました。「グラフチェック」と名付けた別柄ではありますが、タッターソールの雰囲気を存分に生かしたクラシックなディテール選びがされていたので、ついでのご紹介。ノーポケットでタブカラー、渋いです。

トランクショーをご利用頂ければ、このように生地の雰囲気に合わせて細かくイメージを落とし込むことが出来てしまいます。既製品も、トランクショーも、気になることがあればお気軽にお問い合わせください。

それでは皆様のご来店お待ちしております。

ショーゴ

2021/09/13

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