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INDIVIDUALIZED SHIRTS: THE HERITAGE COLLECTION

INDIVIDUALIZED SHIRTS |

ご無沙汰してます、カイです。明日発売予定のこのコレクションを前にして、筆を取らない…もといキーボードを叩かない訳にはいきません。
INDIVIDUALIZED SHIRTSの旗艦店である我々USONIAN GOODS STOREが、満を持してこの3月1日にお送りする、その名も”HERITAGE COLLECTION”。見慣れない青いタグを掲げる、4つのシャツから成るこのコレクション、アメリカンシャツの歴史をそのまま切り取った、と言ってしまっても言い過ぎではないのかも。熱量故に長いブログになりそうですが、ぜひお付き合いください。

アメリカンなシャツと言えばボタンダウン。洋服好きであればあるほど、誰もが頷くアメリカンシャツ襟ですが、何もボタンダウンだけがアメリカらしい襟ではありません。レギュラーカラーや開襟など、流行り廃りの波の中、流行の幅が狭い紳士服の中でも、シャツの襟はさまざまなモノが生み出されてきました。


INDIVIDUALIZED SHIRTS工場にて

創業から半世紀以上経つインディビジュアライズドシャツ、以来アメリカンシャツメーカーの頂点に君臨する彼らですが、もちろんその歴史の中で様々な襟型が考案され、現在では100以上の襟型を揃えています。今でも基本的にはオーダーメイドシャツを貫くインディビ、100以上の襟全てを既製展開はしていません。長く続くインディビの歴史の中でも、指折りのアメリカン襟4種。これぞ今回の真髄、アメリカンヘリテージのコレクション!

まずはやっぱりこちらから。ブルックス氏がイギリスのポロ競技の選手からアイデアを得てこの襟を開発したことはあまりにも有名ですが、ヘリテージコレクションのそれはいつものボタンダウンとは一味も二味も違います。形状を保つため、いつもなら襟とカフに薄く入る芯地、これが一切入りません。究極のカジュアルシャツとしてのボタンダウンシャツとして仕上がっています。

80年代ごろまでのボタンダウンの多くはこの芯が入らない作りで、現在でも根強いファンがいる、特別な仕様です。縫い手にとってはある種生命線とも言える芯地を廃して縫い上げられるこのユニバーシティボタンダウンは、古くからのインディビファンの方にこそ手に取っていただきたいシャツ。どうぞクタッと色気のある襟元の虜になってください。

前述のボタンダウン同様、アメトラそのものの兄貴分、というか親筋に相当する、ブリティッシュトラディショナル。クラシックの原点であるブリティッシュスタイルで欠かせないスプレッドカラー、インディビにも当然多数のラインナップがあります。ルーツこそヨーロッパにあるものの、スプレッドの中でも特異な形状のカッタウェイこそ、アメリカンヘリテージを纏う襟型です。

1930年代頃から見られるようになった形状ですが、それだけ古いにも関わらず漂うモダニズムに加え、withタイ、noタイどちらにも対応する懐の広さ。横に柔らかな曲線を描きながら広がるこの形状、ハマる人はとことんハマる、いい意味でインディビらしからぬ襟と捉える方も多そう。

こちらもルーツはイングリッシュ、アメリカンアレンジ。第一次大戦後、当時のファッションアイコンでもあったプリンス・オブ・ウェールズ、後のウィンザー公がアメリカを訪問した際に着用していたことから一躍脚光を浴びたのが、タブカラーです。しかし、このタブカラーをあのイェール大学のお膝元のシャツメーカー、GANTがアレンジ、特許を取り開発したものが、ボタンを縫い付けたタブカラーであることはあまり知られていません。つまりスーパーアメリカン。

Elliot Gant氏によるタブカラー特許申請時の書類

先の2つの襟同様、アクティブな雰囲気と、ドレスの要素をバランス良く兼ね備えた襟です。ネクタイを持ち上げるためのタブであるが故、ノータイは想定されていませんが、意外や意外、タイがなくても何となくカッコがいい。この謎の感覚、共有できる方お待ちしてマス。

最後も王道、クラブカラー、もといゴルフカラー。こちらもルーツはイギリスの名門、イートン校の制服が起源です。アイビーリーガーのボタンダウン同様、イートン生でない人間からすれば、エリーティズムの象徴だったわけですが、アメリカでも多くの学校が取り入れ、ファッションの主流を飾るまではそう長くはかからなかったようです。1920~年代にはかなりポピュラーな襟型となり、今でもブルックスブラザーズのラインナップでは“GOLF”の名でボタンダウンであるPOLOと肩を並べています。

アメリカ紳士服の原点へのリスペクトからか、インディビの丸襟も同様にゴルフカラーと呼ばれ、これにネクタイを結べばジャズエイジさながら。たまには気取ってもイイじゃない、と言わんばかりの収まり具合、トラッドマンなら一着は押さえておきたい襟です。

インディビジュアライズドシャツの起源でもあるクラシックフィット、アメリカを代表するシャツディテールである、Vヘムのポケット、これらは4つの襟型全てに共通した仕様です。加えて、古き良きシャツの名残を強く感じるボタンのない剣ボロも、より一層雰囲気を高めます。

襟元に付く針と糸がモチーフの青いタグ、これはインディビが80年代ごろに使っていたデザインです。ワタクシ含め古モノ好きの皆さまは、これだけでグッときてしまうはず。

そして4つの襟型全てがケンブリッジオックスフォード、これも「ヘリテージ」に敬意を表した生地チョイスです。イギリスの名門、ケンブリッジ大学の所在地である、シティ・オブ・ケンブリッジ。そしてそれに倣い名付けられた、アメリカ有数の学園都市、ハーバード大学やMITを抱えるマサチューセッツ州ケンブリッジ。それぞれの歴史が交差する地名を冠したオックスフォード生地、これ以上に適切な生地はないでしょう!

さて、そろそろ語りが過ぎました。何はともあれ、服は着るに限ります。明日、3月1日の12時、オンラインストアと店頭同時発売予定です。今まで以上にアメリカに思いを馳せる、最高の春を迎えてください!

ハヤノ カイ

 

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2022/02/28