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インディビがブルックスを縫っていた?
INDIVIDUALIZED SHIRTS | INDIVIDUALIZEDSHIRTS
アメトラ好きなみなさまこんばんは。手塚です。
ここのところは新入荷が続き、気候と同様に店内も秋冬モードに移り変わっていますが、たまには違った話題をシェアしようと思いブログを書き始めました。
カスタムシャツメーカーとしては全米トップシェアを誇るINDIVIDUALIZED SHIRTS(以下インディビ)。ありがたいことに日本でもオーセンティックなアメリカンシャツ=インディビという図式がそこそこに浸透していると思います。インディビがこの分野において絶対的だと裏付ける逸話として、「BROOKS BROTHERSのシャツを生産していた」というエピソードは聞き馴染みがある方も多いでしょう。まったく間違いではないですが、この一言で片づけようとすればどうしても誤解を生んでしまいます。
1998 Brooks Brothers “Custom Order Shirt”
気にしたいのは両者の立場と関係性です。BROOKS BROTHERS(以下ブルックス)がアメリカントラディショナルな世界観を世の中に届ける「ブランド」であるのに対し、インディビは顧客の要望に応え千差万別のシャツを仕立てる「ファクトリー」。インディビがブルックスの生産を担うと表現すればマディソン街本店の棚に並ぶシャツ全てを仕立てたように聞こえますが、彼らが請け負ったのはブルックスが顧客に対し提供していた「カスタムシャツオーダー」の部分。生業である顧客一人一人に対してのカスタムシャツメイクを評価され、1818年から続く名門ブルックスのシャツを縫う工場として抜擢されたわけです。
今、USONIAN GOODS STOREで受け付けているオーダーシステムと全く同じものが、ブルックスをはじめ全米中の紳士用品店で今日まで提供されてきた。生産拠点を自由に変えられるブランドと違い、ファクトリーは手元で生み出す製品のクオリティで評価され続けなくてはならない。効率性が求められ入れ替わりの激しいアメリカで創業より60年もの間成長しトップシェアを誇るインディビは本当に稀有な存在です。
さて、インディビメイドのブルックスを実際に見たことありますか?というのが今夜の本題。見たことがある、持っている、という方は少ないでしょう。それもそのはず、前述したように作り手としてブルックスのシャツを縫っていたインディビ。円の中にサイズが表記されたいつものブルックスタグではなく、“SPECIAL ORDER”と刺繍されたこのシャツがパーソナルオーダーによるものだということだけは分かりますが、INDIVIDUALIZED SHIRTSの文字はどこにも見当たりません。
古着でウンチクを語るには、ごく細かいところにまで目を通す必要があります。裾に縫い付けられた小さなタグの下の方、MADE IN USAの文字に続いて刺繍されたRN 85949。これが米国内で製造、販売、輸入を行う企業に割り当てられる登録番号(Registered Number)で、85949はINDIVIDUALIZED SHIRTS COMPANYに与えられた数字。手元のインディビのシャツを広げてみてください。同じ場所に同じ番号を見つけられるはずです。さらに、現在と変わらなければJUNE-98がシャツの製造を開始した年月を示しています。1998年に製造されたINDIVIDUALIZED SHIRTS製のBROOKS BROTHERSカスタムオーダーシャツ。これが紐解いた結果です。
当然と言えば当然ですが、ブルックスのタグが顔になりつつも細かい部分のつくりや全体の雰囲気は完全にインディビなオーダーシャツ。特徴的な剣ボロの縫い付け方なんて他には真似できないものです。細かく気になる方は店頭で現物を並べて解説しますのでお声がけくださいね。
こちらのオーナーはオーセンティックなアメトラが好みだったのでしょうか。奇しくも定番の既製ボタンダウンダウンシャツとほとんど同じようなディテールで構成されていて、たまたまだけど嬉しくなります。
2000 Brooks Brothers “Custom Order Shirt”
もう1着は2000年製。80~90年代ごろに手掛けていたという認識でしたが、両者の繋がりはイメージ以上に最近まで続いていたようです。ブルックスらしいともアメトラらしいとも言えないディテールのこちらはまさにパーソナルオーダーだからこそ。仕上がってきたお客さまのオーダーシャツを手にとる瞬間は日ごろの楽しみですが、20年以上も前のもはやヴィンテージなカスタムからアイデアをもらうのもまた贅沢。
Pカフだ!とテンションが上がりました。やや縦幅の狭いラウンドカフがブルックスの定番ではあるので、オーナーの色を出してこんなことができた(できる)のはインディビらしい要素だと言っていいかもしれません。
「インディビがブルックスを縫っていた」という話は紛れもない事実で、その当時のスタイルが今も変わらず続くというのが我々が感じられる最大のロマン。同じ工程で製造される既製品はもちろん何の偽りもなくおすすめですが、インディビのすべてを味わうことができるのはやはりカスタムシャツに他ならず。みなさまにオーダーをおすすめするのはこんなところが理由です。
オーダーに関するご質問、ご要望、何でもお待ちしております。
手塚
2023/10/11
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