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RECOMMENDED ALDEN VOL.1

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こんばんは手塚です。開催中のALDEN TRUNK SHOWよりピンポイントでおすすめのピックアップ。

ホワイトとタンの中間に位置する「ミルクシェイク」のスエードペニーローファー。見た目も履き心地も実にラフでソフトなペアです。

この手のスリッポンでは定番の組み合わせにホワイトスエード×ブリックソールがありますが、それよりもいくらか重たくて「ダーティー」なこのコンビ。履き込んだ先に待っているアジを今から想像させてくれますね。

オールデンのペニーローファーに多く採用されるヴァンラストはモカシン専用に開発された木型。捨て寸は短くトウは垂直に立ち上がり、モカ(甲をU字に縫い上げる意匠)が自然に美しくまとまります。フォルムはややぽってりと丸みを帯びており、「アメリカのローファー」で連想するシルエットそのものです。

このヴァンラスト、誕生はなんと1950年代!アイビールック全盛でこの手のスリッポンが東海岸全域でブームになった時代です。当時のカタログを頑張って探しましたがオールデンの古い資料は本当に見つからず。情報が出回らないように厳しいコントロールがされてきたのでしょう。これもまたロマンか。

モカ縫いは伝統的な衣装ですが、手がけられる職人の数は減少の一途をたどっているそうな。悲しいことにオールデンのペニーローファーは現在、未来で入手困難です。

このローファーの最大の魅力は冒頭でも触れたラフさ、ソフトさ、それらが生み出す軽快さにあると思っています。そして、このように感じさせる大きな理由のひとつに「アンライニング」という要素があるのは間違いありません。シューズの内側前半分に備えられるレザーライニングをあえて除くことで、スエードの柔らかさをダイレクトに感じられるようになります。マニアックな視点では、タンにステッチが打たれないのもミニマルで美しいポイント。夏場の素足履きにも適したディテールです。

モデルやアッパーのマテリアルに合わせてさまざまな選択肢から適したソールが選ばれるのもオールデンの面白さ。このペアにセットされたのはオイルをたっぷりと含ませたシングルレザーソール、通称ウォーターロックです。屈曲性と防水性の高さが魅力で、春夏秋冬ガシガシ履きたいスエードのペニーローファーとは相性抜群。

店内は魅力的なモデルで溢れていますが、まず一番に心掴まれたペアの紹介でした。明日はまた別の逸品をご紹介します。

手塚

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2024/05/19