まだ1ヶ月近くを残していますが、2023年最後の大きな買い物に、これぞと自信を持っておすすめするマスターピース。

ダーツを入れずにわずかなウエストシェイプにとどめたボクシーなボディ、段返りのフロントに3パッチポケット、袖の2ボタン、インディビジュアライズドシャツ社長ジム・ハイザーお墨付きのオーセンティックなスタイル。昨今のアメトラリバイバルも手伝って世の中にはたくさんのブレザーが溢れていますが、もしもトレンドに左右されない「アメリカンブレザー」を探すのであれば、インディビジュアライズドクロージングで仕立てる1着がその正解を届けます。

INDIVIDUALIZED CLOTHING
クロージング専門のファクトリーとして、1919年(非公式には1800年代の後半)からスーツやジャケットの製造を手掛けるENGLISH AMERCAN。1978年には、INDIVIDUALIZED SHIRTSが中心となって誕生したアメリカ屈指のカスタムファクトリーのグループ会社”INDIVIDUALIZED APPAREL GROUP”の傘下に入り、その一員としてリアルアメリカンクローズの伝統を支え続けます。名だたるブランドのOEMやカスタムを担当し、今日もMADE IN USAを貫く彼らのプライベートブランドこそがINDIVIDUALIZED CLOTHING（以下IC）です。

前述したフロントスタイルやボタンの数はどれもアメトラ的な相場だとして、問題は「ナチュラルショルダー」をどう定義するか。薄い肩パッドを入れて仕立てたものが世の中の一般的なスタイルですが、スポーツを起源とするブレザーの歴史に敬意を払い完全ノーパッドでのテーラリングを叶えてもらいました。アンコンストラクションな要素がアメリカンドレスの良い意味で抜けた雰囲気の理由で、なによりカジュアルにも楽しみやすいのが日常で愛用するには嬉しいポイントです。

会期: 12/8(金) – 10(日)
サイズ: 36, 38, 40, 42, 44 (着丈・袖丈調整可能)
生地: 10種類
ボタン: メタル2種類 / 樹脂(色指定不可)

金額: 160,000＋税〜
お届け目安: 2024年3月

昨年末にも同社のブレザーオーダー会を催しましたが、この冬の選択肢は紺ブレだけではありません。オールシーズンで愛用できるクラシックなウールファブリックを10種類ご用意して、最高にアメリカンでトラディショナルな世界に1着だけのメイドインUSAブレザーが仕上がります。サイズは既製品をベースにしつつも着丈と袖丈の調整が可能。シャツ同様に店頭でヌードに合わせたご提案をさせていただきます！

定番のネイビーはスポーツコートらしいオックスフォード(既製品と同生地)と遊びの効いた表情のヘリンボーンをご用意。どちらも間違いないやつです。

メランジのツイルは少し色を出したい方におすすめ。トーンは控えめながらゴールド、オリーブ、チャコールと、どの色を選んでもありきたりなブレザーの色合いじゃない感じがイイ。

手元に届くタイミングに春夏らしいライトカラーギャバジンはベストマッチ。さらに浅い色のコットンチノと合わせて力の抜けたアメカジを楽しみたい。

1950〜60年代前半っぽい雰囲気を醸し出すシャドーチェックが個人的イチオシです。樹脂ボタンでシックにまとめても素敵ですが、ここにメタルボタン合わせたら最高にイケてるのではないかと妄想してます。名著BLACK IVYでジャズマンが羽織ってそうなイメージ。

無地がスタンダードなのは間違いないにしても、どうしてもこのあたりにはテンション上がります。アメリカ製にハウンズトゥースブレザーなんて自分は見たことがありません。スタイルがとことんオーセンティックだからこそ、生地選びで遊んでも飽きのこない一生モノにできそうです。

ボタンはそろそろ「インディビといえば」で浸透していると嬉しいTIGER BUTTON COMPANYのもの。1920年代に服飾品業界に身を投じたフェインバーグ兄弟が、68年にニューヨークのガーメントディストリクトに設立したボタン専業の老舗です。ボタンまでアメリカ製のブレザー、その希少性がだんだんと伝わっていますでしょうか。

王道のゴールドに負けじとシルバーの美しさも捨てがたい。燻された色合いでどんな生地ともマッチします。ブレザーらしいクレスト入りのメタルボタンも良いですが、一度インディビジュアライズドクロージングのジャケットに袖を通すと、この4つ穴ボタンがなんとも愛おしく感じます。

会期は金曜日からの今週末3日間。ここに書ききれないあれこれは店頭でお話しさせてください。みなさまとのブレザー談義を楽しみにしております！

手塚