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O’CONNELL’S x ALDEN (PURE DEADSTOCK) VOL.2

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みなさまこんばんは、ショーゴです。本日もマニアックな内容になりそうですが、どうぞお付き合いください。

昨秋のアメリカ出張でバイヤーであるカイが訪れたO’CONNEL’S(オーコネルズ)。ニューヨーク最北の地バッファローで1959年より家族経営を続ける、目指すべき老舗紳士用品店です。詳しくは過去のブログをご覧いただきたいですが、交渉の末にオーコネルズネームのリアルなMADE IN USAをユーソニアングッズストアで並べるという願いが叶っています。

マドラスジャケットにトラウザーズ、コットンポロと、春夏を目掛けてアメリカントラッドな品々が盛況ですが、やはり目玉はALDEN(オールデン)で間違いないでしょう。元々は彼らが商品として在庫していた物ですが、長い年月を倉庫で眠り意図せずヴィンテージとなった年代物のデッドストック!

年始に一度ブログを書いていますが、駆け足のご紹介でしたのでここらで深掘りです。オールデンマニアのみならず、アメリカ靴好きであれば真っ先に注目がいくであろう先頭のブラックカーフプレーントウ。


912 SKINSTITCH PLAIN TOE
8 B (BARRIE LAST)
99,000 IN-TAX

とにかく取り上げるべきポイントが多いスーパースペシャルでありますが、まずは何よりそのデザインにフォーカス。広義には「ホールカット」で片付けられる一枚革から成るドレスシューズですが、このペアはアイレットの周りがUの字で囲まれる独特なスタイルです。さらに近づいてみます。

通常のモカ縫いとは違い、縫い糸が表には見えない作りになっています。「スキンステッチ」という技法で、ごく簡単に説明すれば革の内側で針を行き来させて縫い糸を内側に隠すというもの。ひときわドレッシーに、ホールカットを美しく見せるアイデアではあるものの、特別な技術を要することからオールデンをはじめ現代のアメリカンシューメーカーではほとんど製造されていないようです。ヴィンテージならではの特別な意匠。アッパーのデザイン自体についてももう少し触れておきます。


Florsheim Shoe catalog fall 1969 (vintage shoes for men)

かつてはオールデンと並びアメリカンドレスシューズの代表であったフローシャイム。1969年のカタログに同じアッパーデザインのモデルを見つけました。商品説明に目を移すと、”U-Throat Bal”という表記が。Throatは首元、Bal=Balmoralは内羽根という意味で、想像以上にストレートなネーミングでした。オールデンでこそ発掘できなかったものの、いくつかのカタログでU-Throatの文字を見つけることができたので、当時のアメリカでこのスタイルがある程度普及していたと見て間違いなさそうです。


ヴィンテージアレン VS ヴィンテージオールデン

これは小さな奇跡なのですが、少々アメリカ古靴が好きでして自宅にもU-Throatを見つけました。完全に私物ですが80年代のヴィンテージアレンエドモンズ、Belgiumというモデル。上記のフローシャイムでもイギリスの地名がモデルネームになっているので、60〜70年代のアメリカにおけるコンチネンタルブームで広まったデザインなのでしょう。しかし、一見同じように思えて肝心のUステッチが異なります。


アレンエドモンズのUステッチ

縫い糸がはっきりと表に出ています。専門ではないのでどちらが技術的に難しいのか、という部分までは判断できませんが、比較的目にする機会が多いのはこのアレンエドモンズ同様のデザインです。

話が飛躍しましたが、こちらのプレーントウは推測するに80年代のデッドストック!ライニングの印字番号(長くなるのでここでは割愛します)と、4つのAが並んだ「旧ロゴ」がオールドモデルであることを証明しています。70年代に商標登録され、大体90年代ごろまで使われていたこちらのロゴ。古靴市場でも特に高騰著しいヴィンテージオールデンです。

表記の数字は8ですがウィズBヒールAAなので普段6-1/2〜7D程度を履く方向けでしょう。クオリティ、デザイン、コンディションと3拍子揃ったスペシャルペアなのですが、履き入れてサイズで断られる方が続出しています。正直に言えば金額的にも相当お買い得だと思いますので、合いそうな方はぜひともお試しください!

なかなかの変わり種が続きます。


6573 WING KILTIE LOAFER
7-1/2 C (ABERDEEN LAST)
99,000 IN-TAX

明らかに通好みなキルト付きのウィングチップローファー。赤みの強いバーガンディーカラーと、クセのあるデザインがたまりません。ペニーローファーでは華奢に感じるサマーアイビー、こんなゴージャスペアが下駄箱に控えていれば頼る機会は多そうです。


3ペア共にO’CONNELL’S×ALDENのダブルネーム!

個人的には一番心に刺さったのですが、みなさまはいかがでしょうか。こちらは旧ロゴではないので比較的新しいペアなのかと思いきや……

スタッフ私物の現行品と細部を比較してみました。オタクマインド全開で注視しなければ気づけませんが、王冠の左に入る創設を示す英字が異なります。ヴィンテージにはSINCEと箔押しされるところ、現行品ではEst.の表記。どうやら2000年前後にインソールの仕様変更が行われているようです。写真では伝えられませんが、箔押しのデザインだけでなく革自体の質感も違って古いものはスムース。こうして実物を並べて触り比べるのは実に面白いですよね。サイズは7-1/2 Cということで、ジャストな方も多いのでは?


古い化粧箱だけでなんと気分が上がることでしょう

最後のペアをご紹介します。


663 TASSEL LOAFER
8-1/2 C (ABERDEEN LAST)
99,000 IN-TAX

これぞアメトラの王道!泣く子も黙るタッセルローファーで締めたいと思います。

見切れるさきほどのウィングキルトに比べると青味が強く、気品溢れる大人のボルドー。靴として美しいのは言わずもがな、タッセルローファーの起源がオールデン(ブルックス別注の説が濃厚)にあることを忘れたくありません。オールデンが生み出し、1950年代には東海岸を席巻したタッセルローファー。今も昔もオールデンを、そしてアメリカントラディショナルの足元を代表するモデルです。注文したのはアメトラ全盛期の50年代よりニューヨークで続くオーコネルズ。なんと美しいストーリーでしょうか。

現行がどうかは分かりませんが、化粧箱までM. B. CLAFF & SONS, INC.というマサチューセッツ州の企業が手がけています。東海岸のトラッドを象徴する存在であるオールデン、こんな小さなことまで見つけて嬉しくなってしまいました。

声を大にしておすすめしたい正真正銘のスペシャルヴィンテージ。デッドストックで並べられる機会などそう簡単には訪れません。ご説明で不足している部分があれば、下記フォームよりお気軽にお問い合わせください!店舗通販も歓迎です。ご連絡、ご来店心よりお待ちしております。

ショーゴ

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2023/01/29